LINEミニアプリとLINE拡張ツールはともに、LINE経由で顧客との接点を構築できるソリューションです。両者は共通点も多いのですが、機能や導入方法に違いがあり、それぞれ適する活用シーンが異なります。
今回は、こちらのLINEミニアプリとLINE拡張ツールについて、両者の違いを紹介します。
目次
「LINEミニアプリ」とは?
「LINEミニアプリ」とは、LINEのプラットフォーム上で顧客にサービスを提供できるミニアプリ(アプリ内で稼働するアプリ)の総称です。端末へのインストールが必要な「ネイティブアプリ」や使用時にログインが必要な「ウェブアプリ」とは異なる、独自の強み(下記)を提供します。
- 会員証 / 予約 / 順番待ち 等、柔軟に機能・UIをカスタマイズ可
- LINEのプラットフォーム上で効率的に開発・運用が可能
- 追加インストール・会員登録不要のサービスを実現
- ユーザーデータ(属性・行動等)をきめ細かに収集可
「LINE拡張ツール」とは?
同じく、LINEアプリでのBtoCアプローチを提供するものとして、「LINE拡張ツール」が存在します。つながったLINEユーザーに配信・リピート施策ができる「LINE公式アカウント」を、さらに強化する外付けのSaaSで以下の特徴を備えています。
- さまざまな機能・UIのプロダクトから選択可
- 「LINE公式アカウント+α」の配信・分析を実現
- LINEのプラットフォーム上で効率的に運用が可能
- ユーザーデータ(属性・行動等)をきめ細かに収集可
LINEミニアプリとLINE拡張ツールの違い6点
ここでは、同じく「LINEアプリから顧客にアプローチできるソリューション」である、LINEミニアプリとLINE拡張ツールの違いを6点紹介します。
基本的な機能
LINEミニアプリとLINE拡張ツールでは運用目的(活用シーン)の違いにより、軸足を置く機能が異なります。
まず、顧客向けのサービスを主な運用目的とするLINEミニアプリでは、以下のような機能が実装・提供可能です。
- デジタル会員証(ポイントカード)
- スタンプカード
- 決済システム
- 予約システム
- 注文システム
対して、顧客とのコミュニケーション・販促が主体のLINE拡張ツールの場合は、下記の機能が使えます。
(図は弊社のLINE拡張ツール「COMSBI」のもの)
- 高度な配信機能
- 高度な分析機能
- 複数店舗・拠点用の管理画面
- 自社システムとの連携(POSやCRM等)
※LINE拡張ツールのなかには、デジタル会員証や予約システム等、LINEミニアプリに相当する機能を備えているものも存在します。
配信関係の機能
LINEミニアプリとLINE拡張ツールはともに、LINEユーザーに対する配信機能を備えています。ただ、それぞれで配信できる内容は大きく異なります。
まず、LINEミニアプリでは「サービスメッセージ」が利用可。こちらは「ポイント期限切れの通知」や「購入確認」等をユーザーへの通知目的で配信できるものとなっていて、下記の制約を受ける点が特徴です。
- LINEヤフーの審査を通過した「認証済ミニアプリ」でのみ利用可
- 操作への確認・応答を目的とした内容のみ配信可(販促・広告等は不可)
- 配信は1ユーザーに対して年間5回まで
- 相手がブロック中でも送信可
対して、LINE拡張ツールではLINE公式アカウントのメッセージ配信を拡張した、高度な配信機能が利用できます。こちらの内容はプロダクトごとに異なりますが、基本的には下記のようなことが可能です。
導入方法
導入方法については、LINEミニアプリとLINE拡張ツールで共通する点と異なる点が存在します。
まず、両者で共通するのは「ベンダーから既製のプロダクトとして導入できる」点です。基本的にLINE拡張ツールはベンダーの既製品を導入しますが、LINEミニアプリについてもベンダー各社から既製のパッケージがリリースされていて、開発不要で導入ができます。
一方で、LINEミニアプリについては「自社または委託でオリジナルのアプリを開発できる」ことが、LINE拡張ツールとの相違点です。
導入・運用コスト
LINEミニアプリとLINE拡張ツールでは下表のとおり、導入・運用コストの内訳が異なります。
LINEミニアプリ(パッケージ) |
LINEミニアプリ(自社 / 委託開発) |
LINE拡張ツール |
|
---|---|---|---|
導入コストの内訳 |
パッケージの導入料金 |
開発コスト |
拡張ツールの導入料金 |
運用コストの内訳 |
パッケージの月額料金 |
運用・保守コスト |
拡張ツールの月額料金 |
カスタマイズ性
機能・UIのカスタマイズ性については、LINEミニアプリがより秀でています。LINE公式アカウントの機能・UIの制約を引き継ぐLINE拡張ツールに対し、LINEミニアプリではLIFFブラウザの枠組み内で任意の機能・UIが実現可能です。
ブロックの影響
LINEミニアプリ・LINE拡張ツールはともに、LINE公式アカウントと紐づけて運用ができます。その両者について、LINE公式アカウント関連で異なる点は「ユーザーからのブロック時に受ける影響」です。
まず、LINE拡張ツールについては通常のLINE公式アカウント同様に、こちらをブロックしているユーザーに対しての配信が行えません。(通知メッセージ導入時は例外)
対して、LINEミニアプリではこちらをブロック中のユーザーに対しても、サービスメッセージ経由でアプローチが可能。LINE公式アカウントとの併用で、ブロックによる影響の軽減が図れます。
LINEミニアプリ・LINE拡張ツール・その他ツールの比較早見表
ここでは、顧客へのアプローチを共通の運用目的とする「LINE公式アカウント」「LINE拡張ツール」「LINEミニアプリ」「自社アプリ」について、比較表をお見せします。
LINE公式アカウント |
LINE拡張ツール |
LINEミニアプリ |
自社アプリ |
|
---|---|---|---|---|
強み |
・低コストで基本の顧客管理を実現 |
・きめ細かな顧客管理を実現 |
・サービス提供により顧客の定着を促進 |
・サービス提供により顧客の定着を促進 |
機能とカスタマイズ性 |
低 |
中 |
中〜高 |
高 |
ユーザーへのアプローチ |
・配信(販促含む) |
LINE公式アカウント準拠の機能 |
・アプリ自体のサービス |
・アプリ自体のサービス |
導入・運用コスト |
低 |
中 |
中〜高 |
高 |
取得できるデータ |
・配信・各施策への大まかな反応 |
・配信・各施策への反応 |
・アプリの利用状況 |
・アプリの利用状況 |
ユーザーとのつながりやすさ |
中 |
中〜高 |
高 |
低 |
まとめ
今回は、同じくLINEアプリを媒体とする、「LINEミニアプリ」と「LINE拡張ツール」の違いについて紹介しました。両者は共通項をもちながらも、提供するコアの機能が異なります。
LINEミニアプリは「サービス提供」、LINE拡張ツールは「コミュニケーション・販促」を主軸とした仕組みです。
どちらがよりフィットするかお悩みの際も、両方に対応できる弊社が最適なプランをご一緒に検討いたします。ぜひお気軽にご相談ください。