LINE公式アカウントとLINE Developersはそれぞれ、複数人での運用にも完全対応。両者ともに「権限管理」機能を備えており、メンバーの招待と権限の割り振りが可能です。
今回は、LINE公式アカウントとLINE Developersの「権限管理」機能を解説。それぞれでできることや具体的な操作方法、注意点を説明します。LINE公式アカウントやLINE Developersについて、「組織での運用」や「新規メンバーの招待」をお考えの方はぜひご覧ください。
目次
LINE公式とLINE Developersは複数人での運用も可
LINE公式アカウント(LINE Official Account Manager)とLINE Developers(LINE Developersコンソール)は、複数人での運用と権限分けに対応しています。管理者は「権限管理」機能から、各人のアカウント(LINE Business ID)を招待して、それぞれに適した権限を付与可能です。
この権限管理機能があれば、複数人で1つのアカウントを共有しなくても済み、加えて各人の権限に応じて表示する情報が出し分けられます。よりセキュアかつ安全に、LINE公式とLINE Developersが運用できるでしょう。
LINE公式とLINE Developersの権限管理について
先述のとおり、LINE公式とLINE Developersはそれぞれ権限管理機能を備えていて、複数人での運用と権限分けに対応しています。ここからはその権限管理機能について、LINE公式とLINE Developersでできることをみていきましょう。
LINE公式アカウントの権限管理の詳細
ビジネス用に無料で開設でき、各種配信・1to1チャット・リピート施策が行えるLINE公式の権限管理機能では、権限の異なる「管理者」または「運用担当者」が複数人登録可能。それぞれの権限は下表のとおりで、「1アカウント100人まで」かつ「1人100アカウントまで」の体制で、LINE公式の運用効率化が図れます。
権限の種類 |
管理者 |
運用担当者 |
運用担当者 |
運用担当者 |
---|---|---|---|---|
メッセージ・LINE VOOM投稿の作成 |
◯ |
◯ |
◯ |
◯ |
チャットメッセージの閲覧・送信 |
◯ |
◯ |
◯ |
◯ |
メッセージ配信・LINE VOOM投稿 |
◯ |
◯ |
× |
◯ |
分析の閲覧 |
◯ |
◯ |
◯ |
× |
アカウント設定の変更 |
◯ |
◯ |
◯ |
◯ |
有料サービス・決済方法の管理 |
◯ |
× |
× |
× |
メンバー管理 |
◯ |
× |
× |
× |
参考:LINE公式アカウント (LINE Official Account Manager) 権限設定マニュアル|LINEヤフー for Business
LINE Developersの権限管理の詳細
「LINE公式での自動配信」や「ログイン連携」といった追加機能を開発・実装できるLINE Developersでも、権限管理機能からメンバー(開発者)別に権限が割り振れます。こちらは機能のリリース拠点「プロバイダー」と、その下に属する、実際に機能を提供するための通信路「チャネル」のそれぞれで権限が設定可。その詳細は、下記のとおりです。
- プロバイダー:追加機能をリリースする拠点
- Admin権限
- Member権限
- 権限なし(チャネルの権限のみを付与)
- チャネル:機能別の通信路
- Admin権限
- Member権限
- Tester(LINEログイン・LINEミニアプリ・ブロックチェーンサービス限定の権限)
- 権限なし(プロバイダーの権限のみを付与)
うち、プロバイダーの各権限でできることとしては、下表のとおりです。
Admin |
Member |
権限なし |
|
---|---|---|---|
プロバイダー名の閲覧 |
◯ |
◯ |
◯ |
プロバイダーIDの閲覧 |
◯ |
◯ |
◯ |
プロバイダー名の編集 |
◯ |
× |
× |
プロバイダーの削除 |
◯ |
× |
× |
プロバイダーに紐づくチャネル一覧の閲覧 |
◯ |
× |
× |
プロバイダーに紐づく新規チャネルの作成 |
◯ |
× |
× |
プロバイダーへの開発者の追加・削除 |
◯ |
× |
× |
プロバイダーの権限設定の閲覧・編集 |
◯ |
× |
× |
また、チャネルの各権限でできることは下表をご参照ください。
Admin |
Member |
Tester |
権限なし |
|
---|---|---|---|---|
チャネルの基本情報の閲覧 |
◯ |
◯ |
◯ |
× |
「あなたのユーザーID」の閲覧 |
◯ |
◯ |
◯ |
× |
ステータスが「開発中」のチャネル |
◯ |
× |
◯ |
× |
統計情報の閲覧 |
◯ |
◯ |
× |
× |
「Testerを辞める」機能 |
× |
× |
◯ |
× |
チャネルアイコン&チャネル名の編集 |
◯ |
× |
× |
× |
チャネルの削除 |
◯ |
× |
× |
× |
チャネル説明の編集 |
◯ |
× |
× |
× |
チャネルに関する設定の閲覧・編集 |
◯ |
× |
× |
× |
プライバシーポリシーURL& |
◯ |
× |
× |
× |
チャネルに関するお知らせを受信する |
◯ |
× |
× |
× |
チャネルへの開発者の追加・削除 |
◯ |
× |
× |
× |
チャネルの権限設定の閲覧・編集 |
◯ |
× |
× |
× |
LINE Business IDの作成手順
ここからは、各人が既存のLINE公式 / LINE Developersにジョインする際に欠かせない「LINE Business ID」について、その作成手順をお見せします。まず、LINE公式アカウントのログイン画面にアクセスしてみましょう。
アクセスすると、下図青枠部分のように「アカウントを作成」と書かれたリンクをクリックしてみてください。
今度は以下のとおり、LINE Business IDのサインアップ画面が表示されます。ここからは「(既存の)LINEアカウントで登録」または「メールアドレスで登録」の2通りで、新規のLINE Business IDが作成可能です。今回は「メールアドレスで登録」をクリックして、手順をみていきましょう。
「メールアドレスで登録」をクリックすると以下のとおり、メールアドレスの入力欄が表示されます。こちらに任意のメールアドレスを入力した後、「登録用のリンクを送信」ボタンを押します。
ここで、直前に入力したメールアドレスの受信ボックスをチェックしましょう。すると、「LINE」名義で入力したメールアドレス宛に、LINE Business ID作成用のリンクを含むメールが届きます。
メールで届いたリンクにアクセスすると、今度は以下の画面が現れます。ここでは、名前と任意のパスワードを入力して、「登録」をクリックしてください。
「登録」クリック後は、reCAPTCHA(私はロボットではありません)の認証画面が現れますので、そちらも入力を行いましょう。
reCAPTCHAの認証を突破すると以下のとおり、登録情報の最終確認画面に切り替わります。こちらで「登録」を押すと、晴れてLINE Business IDの作成は完了です。
※LINE Business IDの作成後には続けてLINE公式の作成画面が現れますが、こちらは作成不要です。LINE Business IDひとつで、既存のLINE公式 / LINE Developersにジョインができます。
LINE公式での権限管理の手順
続いては、LINE公式でのメンバーの追加とジョイン、ならびに権限分けについての方法・手順をお見せします。まずは、管理者側から各人を招待する方法についてみていきましょう。
管理者側からのメンバー追加
LINE公式で「管理者」権限をもつメンバーは、新しいメンバー(LINE Business ID)を追加できます。以下、その方法をみていきましょう。
LINE公式の管理画面(LINE Official Account Manager)にアクセスすると、画面右上に歯車アイコンの「設定」欄をクリックしてみてください。
以下のとおり、アカウント設定のトップ画面に遷移します。ここから画面左側サイドバー「権限管理」をクリックしましょう。
権限管理の画面に遷移するので、ここから各人を招待するには、下図青枠部分の緑色ボタン「メンバーを追加」をクリックします。
「メンバーを追加」をクリックすると、以下のポップアップ画面が出現します。ここから「権限の種類」を選んで、「URLを発行」をクリックすることで、24時間限定で1人まで招待できるURLが発行可能です。
実際に権限の種類を選んでURLを発行すると、以下のようになります。
あとは、このURLを追加したいメンバーにシェアすれば、管理者側からの操作は完了します。
ちなみに、メンバー追加後の管理者の権限管理画面は、以下のとおりです。ここからは各メンバー欄右側の「変更」をクリックして、ポップアップ画面から権限の変更やメンバーの削除ができます。
権限変更・メンバー削除用のポップアップ画面は、以下のとおりです。
LINE公式へのジョイン
先ほどの招待用URLを受け取ったメンバーは、手持ちのLINEアカウントまたはLINE Business IDを使って、既存のLINE公式にジョインできます。以下、その手順もみていきましょう。
発行から24時間以内に招待用URLへアクセスすると、以下のログイン画面が現れます。今回はここから「ビジネスアカウントでログイン」を選びます。
(LINEアカウントでログインの場合は、LINE Business ID作成画面へ遷移)
以下のとおり、メンバー追加の確認画面が表示されるので、「承認」をクリックしましょう。
承認後は、メンバー向けのLINE公式の管理画面(LINE Official Account Manager)に遷移します。これで、LINE公式へのジョインは完了です。
LINE公式とLINE Developersの連携方法
ここからは、LINE公式で拡張機能を使う際に欠かせない「LINE公式とLINE Developersの連携方法」について紹介します。
まずはメンバーの追加と同様に、LINE公式の管理画面(LINE Official Account Manager)にアクセスして、画面右上の歯車アイコン「設定」をクリックしましょう。
以下のとおり、アカウント設定画面に遷移するので、LINE公式とLINE Developersを連携させるために、続けて画面左側サイドバー「Messaging API」をクリックします。
以下のとおり、Messaging APIの設定画面が表示されます。ここでは任意のLINE Developersプロバイダー下にMessaging APIチャネルが開設可能です。また、LINE Developersのプロバイダーを開設していない場合やそもそもLINE Developersに未登録の場合は、それぞれあわせて設定ができます。
「Messaging APIを利用する」ボタンをクリックします。
以下のポップアップ画面が現れ、開発者の名前&メールアドレスが登録できるようになるので、それぞれ入力後、「同意する」ボタンを押下します。
登録する開発者情報の確認画面が表示されるので、確認後、「OK」ボタンをクリックします。
すると以下のとおり、プロバイダーの作成・選択画面が現れるはずです。ログイン中のLINE Business IDがプロバイダーのAdmin権限を持っている場合は、ここから既存のプロバイダーも選べますが、今回は新規のプロバイダーを始めから作ってみましょう。
まずは「プロバイダーを作成」欄を選んで、テキストボックスに任意の名前を入力します。その後、「同意する」ボタンをクリックしてください。
同意すると、以下の画面に切り替わります。ここでは任意でプライバシーポリシーと利用規約が設定可能です。今回は、両方とも設定せずに「OK」ボタンをクリックします。
最後に、以下の画面からアカウント名とプロバイダー名を確認した後、「OK」を押下してLINE公式とLINE Developersの連携は完了です。
LINE公式とLINE Developersの連携が済んでいる場合、Messaging APIの設定画面は以下のようになります。
LINE Developersでの権限管理の手順
今度は、LINE公式の連携先であるLINE Developersについても、メンバー招待・ジョイン・権限分けの方法を実演していきます。LINE Developersでは、大元のプロバイダーと各チャネルのそれぞれでメンバーを招待する必要があるので、そこも含めて詳しくみていきましょう。
プロバイダーでのメンバー追加
まずは、大元のプロバイダーでメンバーを招待する方法をお見せします。それでは早速、LINE Developersのトップ画面にアクセスしてみましょう。
LINE Developersのトップ画面では、右上の「コンソール」ボタンから、プロバイダーの管理画面に移れます。こちらをクリックしてみましょう。
クリックすると、以下の画面に遷移できます。ここでは、一覧表示されている各プロバイダーへのアクセス可能です。今回はそのなかから、メンバーを追加したいプロバイダーをクリックします。
プロバイダーのトップ画面が表示されるので、「権限設定」をクリックしてみましょう。
メンバーの管理・招待画面が表示されるので、メンバーを招待するために「メールで招待」をクリックします。
「メールで招待」をクリックした後は、以下のフォームが展開されます。ここで追加したいメンバーのメールアドレスを入力して、付与したい権限を選びましょう。
最後に「招待メールを送信」ボタンをクリックして、メンバーのメールアドレス宛にジョイン用のURLを送信します。管理者側での操作は完了です。
プロバイダーにメンバーを追加した後の権限設定画面は以下のようになります。
各メンバーの権限変更・削除が可能です。
- 権限の変更:各メンバーの右側にある「編集」をクリック後、権限を選択
- メンバーの削除:名前の左側にあるチェックボックスを選択後、「選択したデータを削除」をクリック
プロバイダーへのジョイン
続いては、招待されたメンバーがLINE Developersのプロバイダーにジョインするまでの手順を紹介します。
まずは、メールボックスから「LINE Developers」名義の招待メールを開いて、添付されているURLにアクセスしてみましょう。
アクセス後、LINE Developersにログインすると、以下の画面が表示されます。ここで「同意する」ボタンをクリックすれば、プロバイダーへのジョインが完了します。
チャネルでのメンバー追加
LINE Developersで開発・実装した機能を他のメンバーに共有したい場合は、相手がプロバイダーにジョインしているか否かを問わず、チャネルへの招待が必要です。
まずは、プロバイダーのトップ画面にアクセスすると、プロバイダーの下に属するチャネルが一覧で表示されます。ここで、メンバーを招待したいチャネルをクリックしましょう。
チャネルのトップ画面が表示されるので、「権限設定」をクリックします。
以下のような権限設定の画面が表示され、下記の2通りで、メンバーの追加が可能です。
- メールで招待:プロバイダーに未招待のメンバーにURLを送信
- プロバイダーの権限を持つメンバーから登録:招待済みのメンバーを選んで追加
うち、今回は「プロバイダーの権限を持つメンバーから登録」を試してみます。
当該箇所をクリックしてみると、以下のように画面が切り替わります。ここからは、任意のメンバーを選択して、「インポート」ボタンをクリックするだけで追加完了です。
チャネルにメンバーを追加した後の権限設定画面は以下のとおり、プロバイダーの権限を引き継いだ状態でメンバーが追加されます。
また、プロバイダーの権限設定画面と同様、下記の権限変更・メンバー削除が可能です。
- 権限の変更:各メンバーの右側にある「編集」をクリック後、権限を選択
- メンバーの削除:名前の左側にあるチェックボックスを選択後、「選択したデータを削除」をクリック
LINE公式 / LINE Developersでの権限管理の注意点
ここからは、LINE公式とLINE Developersでメンバーを招待して権限を割り振る際の注意点をお伝えします。まずは、LINE公式での制限事項からご覧ください。
LINE公式での招待・ジョインの制限
LINE公式では以下のとおり、1つのアカウントに招待できる人数と各人がジョインできるアカウントの数に上限があります。
- 1つのアカウントに追加できるメンバーの上限は100人
- 1人のメンバー(1つのLINE Business ID)がジョインできるアカウントの上限は100個
また、メンバー招待時に発行するURLにも、「24時間経過で無効になる」「1つのURLで1人しか招待できない」という制限が設けられています。
LINE Developersでの招待・ジョインの制限
LINE Developersでは「1つのプロバイダーにつき、各メンバーがAdmin権限を持てるチャネルは100個まで」という制限が設けられています。また先述のとおり、プロバイダーとチャネルとで別々にメンバーの招待・追加が必要です。
LINE公式 / LINE Developersでのトラブルシューティング
LINE公式 / LINE Developersで、「招待したはずのメンバーが表示されない」「ジョインしたはずなのに情報が閲覧できない」等のトラブルが生じた場合、以下のような原因が考えられます。
- 招待する側・される側のログインアカウントが違う
- 招待される側がLINE Developersのアカウントを作っていない
- 招待される側にプロバイダー権限がない
- 招待される側にチャネル権限がない
- そもそもチャネルが作成されてない
まとめ
今回はLINE公式とLINE Developersで、メンバーを招待して権限を割り振る方法について解説しました。LINE公式 / LINE Developersの権限管理機能があれば、複数人でのアカウント・プロバイダー・チャネルの運用がスムースに行えます。上手に活用して、組織でのLINEマーケ・サービス開発の効率化を目指しましょう。