LINE公式アカウントは複数人向けのメッセージ配信機能以外に、1to1でのコミュニケーションが図れる「チャット」機能も備えています。こちらは完全無料でテキストでの応答 / 音声通話 / 自動対応などができて、店舗・ECサイトの問い合わせ対応に最適です。
今回は、そんなLINE公式アカウントのチャット機能について、そのメリット・注意点・便利機能をお伝えしていきます。問い合わせ対応の効率化・コスト削減を目指したい方は必見です。
目次
LINE公式のチャットなら問い合わせ対応が可能
ビジネス用のLINE公式アカウント(LINE公式)には各種メッセージ配信機能の他に、個別のトークルームを介した「チャット」機能も備わっています。こちらは友だち(ユーザー)からのメッセージに対して、個別にテキストや各種メディアによる返答ができるというものです。制限はありますが、完全無料で友だちにメッセージ送信や電話ができます。
LINE公式のチャットを問い合わせに使うメリット
まずは、LINE公式のチャット機能を問い合わせ対応に活用するメリットを5点ご紹介します。
スマホ一台でいつでもどこでも対応可能
LINE公式のチャット機能は、PC用管理画面「LINE Official Account Manager」の他に、スマートフォン(Android & iOS)用「管理アプリ」からも使用可能です。いつでも何度でも、問い合わせ内容が確認できます。
さらに、チャットには自動対応機能(応答メッセージ)や定型文の登録機能も備わっていて、スマホ一台で気軽に応答が可能。外出時や接客時のような場面も含め、シチュエーションを選ばずに問い合わせ対応が行えます。
顧客別での対応が簡単
LINE公式のチャットには、顧客別での対応を叶えてくれる下記機能が備わっています。
- 担当者の割り当て:複数の担当者で問い合わせ対応が分担できる
- タグ付け:友だちを分類して絞り込み配信ができる
- ノートの追加:友だちの情報を担当者間で共有できる
- ピン留め:ユーザーやメッセージを固定表示できる
- 要対応やスパムの設定:適宜使える
顧客に合わせたきめ細かな対応が効率的に行えます。
送信できるメディアの種類が豊富
LINE公式のチャットからは、下記のとおり多種多様なメディアが送信可能です。問い合わせ対応の際には、メールや電話よりもわかりやすい情報提供が行えます。
- テキスト
- スタンプ・絵文字
- 画像・動画
- その他ファイル
- LINEコール(アカウント運営側は通話リクエストのみ可)
- カードタイプメッセージ(上図、スライダー式の画像バナー)
- クーポン(LINEアプリから使える電子クーポン)
過去の会話内容の検索・ダウンロードが可能
LINE公式のチャットは、タグ別・トークルーム別で過去のやり取りが検索できる「検索機能」も備えています。
さらに、PC用の「LINE Official Account Manager」からは、過去の会話内容が10万件分までCSV形式でダウンロード可能です。
既読をつけない「プレビュー」も可能
LINE公式のチャットは、未読バッジを残したまま友だちからのメッセージが確認できる「プレビュー」機能もあります。最大10件まで既読を付けずにメッセージが閲覧できるものです。
LINE公式のチャットを問い合わせに使う際の注意点
便利なLINE公式のチャットですが、使用にあたっては制約や注意点もあります。
チャット開始の条件
LINE公式のチャットは原則、友だち側からのメッセージがない限り開始できません。チャットを問い合わせ対応に活用していきたい場合は、ユーザーから発話するような下記のような働きかけが必須です。
- リッチメニューにメッセージが送信できるボタン(テキスト)を設置する
- チャットの仕様について告知する
- 友だち追加時のあいさつメッセージにユーザー発話を促すような一文を入れる(ご利用店舗は? 旧会員カードの番号は? 等)
※「認証済アカウント」の場合に限り、アカウント運営側からチャットが開始できます。ただし、こちらにも広告・営利目的でのメッセージが禁止されている等、制約があります。
ブロックのリスク
不特定多数向けのメッセージ配信とは異なり、チャットでは1to1での密なコミュニケーションが発生します。その状態で、不用意かつ唐突にメッセージを送ってしまうと、LINE公式アカウント自体のブロックに繋がりかねません。ブロックされてしまうとその間、相手には各種配信が送れなくなりますので、適切な頻度・内容でのコミュニケーションを心がけてください。
トークの保存の有効期限
LINE公式のチャット機能では、保存された過去のやり取りをさかのぼって確認できます。ただし、過去のやり取りの保存については、下記の有効期限がありますのでご留意ください。
【1対1のトークルーム】
- 全メディア:過去1年分まで
【複数人・グループのトークルーム】
- テキスト・LINEスタンプ:過去1年分まで
- 画像・ビデオ:過去2週間まで
- ファイル:過去1週間まで
管理の複雑化
LINE公式のチャット機能では、友だち別でトークルームが開設されていきます。トークルームがどんどん増えていきますので、管理の複雑化・問い合わせ対応の品質低下が起きないように気をつけなくてはいけません。下記を駆使して、対処していきましょう。
- 担当者の割り当て
- 友だち・メッセージのピン留め
- 「対応 / 未対応」のラベル貼付
【問い合わせ編】LINE公式のチャットの便利機能
最後に、LINE公式のチャットが備える便利機能をご紹介します。まずは、無料で音声通話・ビデオ通話ができる「LINEコール」から、詳細をみていきましょう。
LINEコール
LINE公式のチャットでは友だち側からのみ、「LINEコール」による音声通話・ビデオ通話が開始可能。完全無料で、チャット+αの問い合わせが行えます。
また、アカウント運営側からは、友だちに通話をオファーする「通話リクエスト」が送信可。その他にも、下記の機能が使えます。
- 電話開始用のQRコード&URLの発行
- 店舗の電話への転送
- 友だち名込みでの着信履歴の確認
窓口を一本化して通話料を節約したいのであれば、LINEコールでの問い合わせ対応がおすすめです。
タグ
LINE公式のチャットでは、友だちを識別する「タグ」が最大200個まで発行可。友だち1人につき最大10個までタグが付けられます。
さらに、LINE公式はタグを条件とした友だちの一覧表示や絞り込み配信もできます。問い合わせ効率化の他、誕生日や記念日のクーポン配信等、リピートを促す施策も実現できそうです。
ノート
LINE公式のチャットには、友だちの情報を記録して他の担当者に共有できる「ノート」機能も備わっています。このノートは友だち側から確認できないようになっており、関係者外秘の情報も書き込める機能です。こちらを使えば、顧客一人ひとりに合わせた問い合わせ対応が実現できるかもしれません。
ステータスバー
LINE公式のチャットは、トークルーム上部に担当者・応答時間が表示できる「ステータスバー」機能もあります。トークルームを開くだけで問い合わせの対応状況がわかるため、友だち側からみた利便性が高まりそうです。
※ステータスバーの設定から反映までには、約5分のタイムラグがあります。
応答メッセージ
友だちに対して自動応答ができる「応答メッセージ」機能は、各種配信用のトークルームだけでなくチャット用のトークルームにも対応しています。よくある問い合わせに対しては、以下2種類の方法で自動応答が行えます。
- 一律応答:全メッセージに対して、同じテンプレートで返答
- キーワード応答:事前設定したKWを含むメッセージに対して、対応するテンプレートで返答
対応の手動 / 自動を都度切り替える必要がありますが、営業時間外や接客中でも、スピーディーに問い合わせに対応可能です。その他、ユーザー参加型のキャンペーンにも活用できます。
※応答メッセージは配信枠の消費しないため、完全無料で使えます。
その他機能
LINE公式のチャットはその他にも、下記の便利機能があります。
- 担当者の割り当て:複数の担当者で問い合わせ対応が分担できる
- 定型文:手動対応時によく送る文章が登録できる
- 応答時間:自動対応に切り替わる時間が設定できる
- ピン留め:ユーザーやメッセージを固定表示できる
- 「要対応 / 対応済み」ラベル:対応漏れが防げる
- 友だちの表示名変更:相手の本名がわからない場合に、運営側限定でニックネームが表示できる
- スパム:嫌がらせを受けた場合に設定できる
まとめ
今回はLINE公式で友だちと1to1でのコミュニケーションが図れる「チャット」機能についてご紹介しました。LINE公式のチャット機能を活用するメリットは下記のとおりです。
- スマホ一台でいつでもどこでも対応可能
- 顧客別での対応が簡単
- 送信できるメディアの種類が豊富
- 過去の会話内容の検索・ダウンロードが可能
- 既読をつけない「プレビュー」も可能
チャットは原則、友だち側からしか始められませんが、LINEコール / タグ / 応答メッセージ等、便利機能が満載です。問い合わせ対応を効率化したい方はぜひ、LINE公式のチャットをご検討ください。