LINE公式アカウントには通常の「未認証アカウント」のほかに、「認証済アカウント」という区分が存在します。こちらはバッジの色でユーザーに信頼性を示せるだけでなく、追加料金なしでさまざまな特典を得られるのが魅力です。
今回は、さまざまな特典が付いてくるLINE公式アカウントの「認証済アカウント」を紹介します。未認証アカウントにない意外なメリットから審査基準、申請方法までわかりやすくお伝えしていきます。「自社のLINE公式アカウントの認知度を高めたい」とお考えのビジネスオーナーの方はぜひご覧ください。
目次
「認証済アカウント」の概要
友だち追加でつながったユーザーに各種配信・リピート施策ができるLINE公式アカウントには、料金プランとは別に、青色バッジの「認証済アカウント」という区分があります。こちらはLINEヤフー独自の審査を通過したアカウントで、通常の「未認証アカウント」にない、限定特典へアクセスできるのが特徴。両者の違いをまとめると下表のようになります。
認証済アカウント |
未認証アカウント |
|
---|---|---|
バッジの色 |
青色 |
灰色 |
対象 |
審査を通過したビジネス・商標のアカウント(個人は対象外) |
審査を通過していない全アカウント |
特典 |
・検索の対象になる |
なし |
この認証済アカウントを取得するメリットは以下のとおりです。
- ユーザーに信頼性を示せる
- 限定の特典でユーザーからの認知度が高めやすくなる
- 限定の特典でユーザーとの関係構築が円滑になる
※ちなみに、認証済アカウントのなかでも特別な審査(基準は非公開)を満たすものは「プレミアムアカウント」という区分になります。こちらは緑色のバッジが付いて、認証済アカウント以上の特典を得られるのが特徴です。
LINE公式の認証済アカウントの料金は?
先述のとおり、「認証済アカウント / 未認証アカウント」の区分はLINE公式アカウントの料金プラン(下記)から独立しています。あわせて、認証済アカウントになるための審査も無料のため、認証の有無を問わず同じ料金で運用が可能です。
コミュニケーションプラン |
ライトプラン |
スタンダードプラン |
|
---|---|---|---|
月額固定費 |
無料 |
5,000円 |
15,000円 |
無料メッセージ通数 |
200通 |
5,000通 |
30,000通 |
追加メッセージの可否・料金 |
不可 |
不可 |
〜3円/通 |
備考 |
【1通の基準】 【メッセージ通数にカウントされるもの】 【メッセージ通数にカウントされないもの】 |
参考資料:LINE公式アカウント 料金プラン
LINE公式の認証済アカウントの特典・メリット
ここからは、認証済アカウントにしかない特典・メリットを9つ紹介。LINEアプリ内にとどまらない、その恩恵を徹底解説します。まずは、ユーザーが体感できる一番の違い「バッジ」から詳しくみていきましょう。
ユーザーに「青色のバッジ」を表示できる
認証済アカウントと未認証アカウントとでは、アカウント名の横に表示されるバッジの色が異なります。誰でも取得できる未認証アカウントが「灰色バッジ」なのに対し、審査を通過したビジネス限定の認証済アカウントは「青色バッジ」です。バッジの色はユーザー側からも確認ができ、「青色バッジ」というだけで一定の安心感を与えられるでしょう。
友だち追加なしでLINEアプリの検索結果に表示できる
ユーザー側のLINEアプリには、LINEアカウントの検索機能が備わっています。こちらは友だち追加済みのアカウントを検索できるほか、友だち未追加のLINE公式アカウントを検索できる「公式アカウント」欄も完備。認証済アカウントの場合は、この「公式アカウント」欄の検索結果に名前を表示できます。
キーワード・地域・カテゴリでの検索結果に自社のアカウントが表示されれば、ユーザーからの認知度が高められるかもしれません。
ポスターや有料ノベルティが解禁される
未認証アカウントから認証済アカウントにステップアップするにあたって、以下の特典も解禁されます。こちらは実店舗を通じた友だち集めに効果的です。
- 無料ダウンロードできる友だち募集用ポスターが1種類から3種類に増える
- 友だち集めに役立つ有料ノベルティ(下記)が購入できるようになる
- QRコード付三角POP
- QRコード付ステッカー
- QRコード付ラミネートパネル
- QRコード付ショップカード(紙媒体)
- QRコード付ステッカー
※その他、認証済アカウントには「ノベルティ 使い方ガイド」が無料で配布されます。
「友だち追加広告」が出稿できるようになる
認証済アカウントでは、ユーザー側のLINEアプリのトークリスト / LINE NEWS / LINE VOOM…etc.に友だち追加を促す「友だち追加広告」が出稿可能。こちらはLINE広告やLINE公式アカウントの管理画面から出稿ができて、友だち追加達成時にのみ料金が発生する仕様になっています。
LINEアプリ内の各所にアカウント情報・クーポンを掲載できる
認証済アカウントになると任意で、ユーザーのLINEアプリ内の各所にアカウント情報やクーポンを掲載できます。具体的には、「LINE公式アカウントリスト」と「おすすめの公式アカウント」の欄にアカウント情報が、「LINEクーポン」と「LINE公式アカウントリスト」の欄にクーポンがそれぞれ掲載可能。自社のLINE公式アカウントがユーザーに認知してもらいやすくなるでしょう。
無条件で「メンバーシップ」を開設できる
LINE公式アカウントでは、「ターゲットリーチが200人以上のアカウント」または「認証済アカウント」に限り、サブスクリプションサービスを提供する場「メンバーシップ」が開設でき、認証済アカウントの場合は無条件で、少人数向けでもメンバーシップが用意できます。
限定メニュー・クーポンの配布に
- メンバーへのコミュニケーションツールとして
- 月謝・会費の集金手段として
※ちなみに、ターゲットリーチの定義は「友だち数 − ブロック数 = ターゲットリーチ」となっています。詳細はLINE公式アカウントの友だち分析の記事をご参照ください。
アカウント満足度調査 / リサーチで「自由回答」を設定できる
LINE公式アカウントの「リサーチ」機能では、「リサーチ」と「アカウント満足度調査」の2種類のアンケートが実施可能です。しかし、未認証アカウントでは設定できる質問に下記の制限があります。
- リサーチ:自分で質問を設定できる選択式のアンケート
- アカウント満足度調査:アカウントに対する満足度限定で10段階評価のアンケート
対して、認証済アカウントでは、リサーチとアカウント満足度調査に「自由回答」の質問も設定可能なため、より柔軟に、ユーザーの意見が集められます。
「友だちの一覧表示」と「運営側からのチャット開始」が解禁される
未認証アカウントの管理画面「チャット」機能では、相手側からメッセージを送ってくれた友だちに限り、名前を管理画面から確認して1to1でチャットが行えます。
対して、認証済アカウントの場合は、全ての友だちについて無条件で名前の一覧表示が可能です。さらに、「広告・宣伝目的以外かつユーザーのニーズを満たすことが目的の場合」限定で運営側から1to1チャットが開始できます。
「請求書決済」が解禁される
認証済アカウントでは、LINE公式アカウントのプラン料金の支払いに際して、通常のクレジットカード決済に加えて「請求書決済」も利用可能です。こちらは株式会社ラクーンの請求書決済サービス「Paid」を通して、支払いを効率化できます。
認証済アカウントと未認証アカウントの選び方
無料でメリットも多い認証済アカウントですが、「未認証アカウントの完全上位互換」ということではありません。それぞれ以下のとおり、長所短所があります。
認証済アカウント |
未認証アカウント |
|
---|---|---|
メリット |
・未認証アカウントにない特典・機能が解禁される |
・誰でも手軽に開設できる |
デメリット |
・厳しい審査を通過する必要がある |
・認証済アカウントに比べて、制限が多い |
適している場面 |
・企業・店舗での情報発信全般 |
・個人での情報発信 |
認証済アカウントの審査の基準と注意点
未認証アカウントから認証済アカウントになるにあたっては、LINEヤフーの審査を通過する必要があります。その基準は下表のとおりです。
概要 |
NG例 |
|
---|---|---|
業種・業態、商品・サービス審査 |
・「LINE公式アカウント 利用規約」と「LINE公式アカウントガイドライン」に抵触しないことを確認する審査 ・公序良俗に反するorユーザーにとって不快・不利益なコンテンツの排除が目的 |
・出会い系ビジネス |
実在確認審査 |
・ビジネスや商品が実在しているかを確認する審査 ・アカウント名 / 施設情報 / 会社情報 / Webサイト…etc.から総合的に判断 |
・当該ビジネス・商品の実態が確認できない |
アカウント名審査 |
・アカウント名からビジネス・サービスの内容が正確に伝わるかを審査 |
・誤字がある |
申込情報審査 |
・アカウントの運営元の情報が適切かどうかを審査 |
・アカウント名に含まれる店舗とは別の店舗の情報が入力されている |
本人確認審査 |
・なりすましや悪用を防ぐ本人確認作業 |
・電話orメールでの本人確認が完了しない |
なお、審査の詳しい仕様は下記のとおり。登録している情報に規約違反や不備がないか、申請前にチェックしておきましょう。
- 審査結果によっては、アカウントが開設不可になるor停止されてしまう場合もある
- 審査結果は申請者のメールアドレス宛に送られる
- 審査には5〜10営業日を要する
- 審査結果の理由は公開されない
- 審査に落ちた場合は、再申請ができる
認証済アカウントの審査の申請方法
ここからは、LINE公式アカウントの作成時 / 作成後に、認証済アカウントの審査を受ける方法をお伝えします。まずは、アカウント作成時に申請画面を開く方法から、みていきましょう。
アカウント作成時の申請画面の開き方
認証済アカウントの審査への申請は、LINE公式アカウント作成時から可能。LINE Business IDに登録して、アカウントの開設に必要な情報を入力した後に表示される、「申し込み完了」の画面から申請画面へ移れます。
既存アカウントからの申請画面の開き方
LINE公式アカウントでは、作成後・既存の未認証アカウントからでもアカウント認証を申請可。以下、その方法をみていきましょう。
まずは、LINE公式アカウントのPC版管理画面(LINE Official Account Manager)に、「管理者」権限のLINE Business IDでログインします。そこから、画面右上にある歯車アイコンの「設定」をクリックしてみてください。(下図)
すると、以下のアカウント設定画面に移れます。ここから下図の青枠部分、認証ステータス欄が「未認証」であることを確認したのち、「アカウント認証をリクエスト」をクリックしましょう。
クリック後は、LINE Business IDのログイン画面に遷移しますので、こちらから「ログイン」をクリックして認証申請画面に移ります。
申請画面での操作手順
アカウント認証を申請すると、フォームに移る前に下記の確認画面が現れます。ここで内容を熟読しつつ、画面を下にスクロールしてみましょう。
すると、下記の「審査のポイント」が掲載されていますので、今一度確認を行いましょう。
- 認証済アカウントの対象かどうか確認する(個人や一部ビジネスはNG)
- 実在確認用のWebサイトを用意する(店舗の公式サイトやSNS等)
- わかりやすいアカウント名を設定する(ビジネスor商標名)
- 電話番号orメールアドレスを用意する
確認後、画面をさらに下へとスクロールしていくと、緑色のボタン「アカウント認証を申請する」があります。審査へ申し込むにはそちらをクリックしましょう。
「アカウント認証を申請する」をクリックすると、以下の入力フォームへと画面が遷移します。ここから必要事項を入力した後に「確認する」をクリックすれば、ひとまず申請は完了です。
あとは、審査が終わるまで5〜10営業日ほど待ち、その後本人確認の電話orメールに返答しましょう。返答後は、申請結果のメールが届きますのでそちらもチェックします。
まとめ
今回は、LINE公式アカウントの区分「認証済アカウント」について、そのメリットや申請方法をご紹介しました。もう一度振り返っていくと、通常の「未認証アカウント」にない、認証済アカウント独自のメリット・特典は以下のとおりでした。
- ユーザーに「青色のバッジ」を表示できる
- 友だち追加なしでLINEアプリの検索結果に表示できる
- ポスターや有料ノベルティが解禁される
- 「友だち追加広告」が出稿できるようになる
- LINEアプリ内の各所にアカウント情報・クーポンを掲載できる
- 無条件で「メンバーシップ」を開設できる
- アカウント満足度調査 / リサーチで「自由回答」を設定できる
- 「友だちの一覧表示」と「運営側からのチャット開始」が解禁される
- 「請求書決済」が解禁される
認証済アカウントになるには、LINEヤフーの審査基準を満たす実在する事業・商標のLINE公式アカウントを用意する必要がありますが、その分さまざまな恩恵が受けられます。認証審査には何度でもトライできますので、ビジネスオーナーの方はぜひ、認証済アカウントの取得をご検討ください。