LINE公式アカウントには、複数のアカウントを1組にまとめて、一括で管理・運営できる「グループ機能」が備わっています。こちらは複合商業施設やチェーン店等、複数の店舗・支部を抱えるビジネスにおすすめの機能です。
今回はこのグループ機能について、できることやできないこと、そして使い方をご紹介します。
目次
LINE公式アカウントの「グループ機能」について
LINE公式アカウント(LINE公式)のWeb版管理画面「LINE Official Account Manager」は、複数のLINE公式アカウントを一括で運用できる「グループ機能」を備えています。こちらではグループ専用の管理画面から、複数のアカウントについて以下の一括操作が可能です。
- メッセージ配信
- 応答メッセージ
- クーポン
- あいさつメッセージ
- リッチメニュー
- プロフィール
- 分析
また、グループ機能は「通常の個別操作と一括操作の両立」や「管理画面へのアクセス権限の振り分け」にも対応。複数の店舗・支部を抱えるビジネスでのLINE施策に適しています。
LINE公式アカウントのグループ機能にできること
ここではLINE公式のグループ機能を使ってできることをご紹介します。
メッセージ配信
グループ機能では、複数のアカウントについて一括での「メッセージ作成・配信」が可能です。配信できる内容は全アカウント一律となりますが、ユーザーの属性やオーディエンス(行動履歴)での絞り込みにも対応していて、アカウントをまたいだ配信施策に適しています。
また、配信に失敗したアカウントはリストから確認ができますので、個別の対策も容易です。
応答メッセージ
グループ機能からは、ユーザーからのメッセージに自動で対応する「応答メッセージ」も複数アカウント一括で設定ができます。こちらは一律応答のほか、個別のアカウントで設定されているものと重複しない語句限定で、キーワード応答も選択可能です。
メッセージアイテム
LINE公式のグループ機能では、下記3種類の「メッセージアイテム」の作成・一括設定も行えます。
- リッチメッセージ:クリック時の遷移先を設定できる画像バナー
- リッチビデオメッセージ:視聴後の遷移先を設定できる自動再生式の動画
- カードタイプメッセージ:複数のコンテンツを並べて表示できるスライド式のカード
クーポン
グループ機能からは、お買い物時にLINEアプリを起動して使用できる「クーポン」も全アカウント一括で設定可。こちらは通常(条件なし)のクーポンのほか、ユーザーがアカウントを紹介した / された際に報酬として配布できる「友だち紹介クーポン」にも対応しています。
あいさつメッセージ
LINE公式のグループ機能は、友だち登録時 / ブロック解除時に自動で送信される「あいさつメッセージ」の一括設定にも対応しています。こちらは全アカウント一律で送信内容を設定できるほか、あいさつメッセージの送信を「初回友だち登録時限定」とすることも可能です。
リッチメニュー(データ管理)
グループ機能からは、ユーザーのトークルーム下部にタイル表示できるボタン「リッチメニュー」の一括設定も行えます。
オーディエンス
グループ機能では、行動履歴をもとにメッセージ配信の対象を絞り込むための「オーディエンス」も作成可。以下のオーディエンスタイプ限定にはなりますが、全アカウント共通のオーディエンスが設定できます。
- メッセージクリック:メッセージ中のリンクをクリックしたユーザー対象
- メッセージインプレッション:メッセージを開封したユーザー対象
- 予約:LINEで予約経由で予約したユーザー対象
友だちを増やす
グループ機能の「友だちを増やす」からは、複数アカウントの友だち追加用QRコードを一括でダウンロードできます。
アカウント設定
グループ機能からは下表の項目について、複数アカウント一括での「アカウント設定」が可能です。
設定項目 |
詳細 |
---|---|
基本設定 |
・アカウント名 ・ステータスメッセージ ・プロフィール画像 (事前にアップロードが必要) |
公開設定 |
住所・地図情報 |
その他 |
・検索結果とおすすめに表示 ・チャットへの参加 ・あいさつメッセージ(オン・オフ) ・会社・事業者の所在国・地域 |
※グループ機能におけるアカウント設定の流れは以下のとおりです。
- 現在の設定をExcelファイル(下図)としてダウンロード
- ダウンロードしたファイルに新たな設定内容を記入
- ファイルをアップロードして上書き設定
プロフィール設定
グループ機能は、「プロフィール設定」にも対応しています。こちらでは、各アカウントのプロフィールについて、下記項目の内容と公開設定(ON / OFF)が一括設定できます。
- 紹介文
- 営業時間
- 予算
- 電話
- Webサイト
- 予約
- 支払い方法
- 設備
- 住所・地図情報(公開設定のみ)
※グループ機能におけるプロフィール設定の流れは以下のとおりです。
- 現在の設定をExcelファイル(下図)としてダウンロード
- ダウンロードしたファイルに新たな設定内容を記入
- ファイルをアップロードして上書き設定
分析
グループ機能の管理画面では、「分析」から複数のアカウントの統計情報についても確認が可能です。こちらでは、グループ配下にある全アカウントのデータ(下記)について、集計期間を指定したうえでExcelファイル形式でのエクスポートが行えます。
- 友だち
- 概要
- 属性:性別
- 属性:年齢
- 属性:地域
- 追加経路:概要
- 追加経路:日次
- メッセージ
- 概要
- 配信メッセージ
- 応答メッセージ
- リッチメニュー
- チャット
- クーポン
- 予約
グループ設定
グループ機能管理画面の「グループ設定」からは、以下についての設定も行えます。
- グループのプロフィール画像の変更
- グループ名の変更
- アカウントの追加・削除
- チャットへのアクセス権限管理
- 運営メンバーの権限管理(※)
- グループの削除
※グループ運営メンバーの権限の区分・アクセスできる機能は以下のとおりです。
機能 |
グループ管理者 |
グループ運営者 |
グループ運用担当者 (送信権限なし) |
グループ運用担当者 (分析権限なし) |
---|---|---|---|---|
グループアカウント管理 |
◯ |
|||
グループユーザー管理 |
◯ |
|||
一括配信(メッセージ) |
◯ |
◯ |
◯ |
|
一括作成(メッセージ) |
◯ |
◯ |
◯ |
◯ |
統計情報一括取得 (CSVダウンロード) |
◯ |
◯ |
◯ |
|
適用コンテンツ一括操作 プロフィール&設定 友だち追加時あいさつ 自動応答/キーワード応答 リッチメニュー |
◯ |
◯ |
◯ |
◯ |
LINE公式アカウントのグループ機能の使い方
続いては、LINE公式アカウントのグループ機能の使い方を、操作手順も含めてお見せします。
グループの作成
グループの作成は、LINE公式アカウントのWeb版管理画面(LINE Official Account Manager)でのみ可能です。その手順としてはまず、アカウントトップの左上をクリックして、アカウントリストに移ります。(下図)
次に、アカウントリストから「グループ」のタブをクリックします。
続けて、画面左側サイドバーの「作成」を選択することで、グループの作成が可能です。
グループの作成画面では、グループ名と追加するアカウントを選んで「作成」をクリックします。
アカウント追加の詳しい流れは以下のとおりです。
- 追加するアカウントを選択
- 「追加」をクリック
グループが作成されると、自動的にグループの管理画面に遷移します。次回以降はアカウントリストの「グループ」タブから、このグループ管理画面にアクセスが可能です。
※グループ作成時の制限・注意点は以下のとおりです。
- グループの作成は、当該アカウントの管理者権限をもつLINE Business IDのみ可能
- 1グループの配下に置けるLINE公式アカウントは5,000個まで
- 1つのLINE公式アカウントが所属できるグループの数は100まで
- サービス対象国・地域が違うLINE公式アカウントは同一グループに追加不可
グループ設定
グループの管理画面では、右上にある歯車アイコンの「グループ設定」をクリックして設定画面に移れます。この設定画面のトップは「グループ設定」となっており、以下の設定が可能です。
- プロフィール画像の変更
- グループ名の変更
- チャットへのアクセス権限管理
- LINE公式アカウントの追加・削除
グループ権限管理
グループの設定画面では、サイドバーから「グループ権限管理」も選択できます。こちらではグループを運営するメンバー(LINE Business ID)の追加・権限管理が可能です。
グループを削除
グループ設定画面サイドバーの「グループを削除」では、グループそのものの削除が行えます。
LINE公式アカウントのグループ機能にできないこと
ここからは、LINE公式アカウントのグループ機能でできないこと・制限事項をご紹介します。
各機能の細かな操作
グループ機能の管理画面では、個別のLINE公式アカウント管理画面でできる細かな操作が行えません。グループ機能で制限される操作については下表のとおりです。
制限 |
|
---|---|
メッセージ配信 |
・ターゲット推計は表示不可 ・LINE VOOMへの同時投稿は不可 ・テスト配信も不可 ・配信数・分析への導線等の確認も不可 ・予約配信は同時に100件まで ・予約配信が一度に100件を超える場合、「今すぐ配信 / 予約配信」は不可 ・配下のアカウントが多い場合、予約時間直前の予約解除・編集の反映が不完全 |
ステップ配信 |
使用不可 |
応答メッセージ |
・ステータスの切り替えは不可(表示のみ) ・各アカウントにすでに登録されているものと重複するKWは設定不可 |
クーポン |
・抽選は設定不可 ・クーポンのシェアも不可 ・ステータスが有効のクーポンは削除不可 |
使用不可 |
|
使用不可 |
|
あいさつメッセージ |
デフォルトメッセージは選択不可 |
リッチメニュー |
・アクティブ状況の確認は不可 ・個別のアカウントに表示期間が重複する表示設定オンのリッチメニューがある場合、グループからの登録は不可 |
トラッキング(LINE Tag) |
使用不可 |
スマホ版管理画面での使用
グループの作成・グループ管理画面へのアクセスは、LINE公式アカウントのWeb版管理画面(LINE Official Account Manager)からのみ行えます。スマートフォン版の管理画面(iOS / Androidアプリ)からは、グループの作成・管理が行えません。
アカウント間の連携
複数のLINE公式アカウント間では通常、同じグループの配下であっても、ユーザーデータやショップカードの連携・共有ができません。複数アカウントでのデータ連携には別途、LINE拡張ツールの導入が必要です。
「COMSBI」なら高度な複数アカウント運営が可能
弊社・株式会社ソニックムーブのLINE拡張ツール「COMSBI」では、「多店舗展開プラン」にて、LINE公式のグループ機能を強化したマルチアカウント機能を提供しています。
マルチアカウント対応のCOMSBIでは具体的に、以下のようなことが可能です。
- 複数のLINE公式アカウントの一元管理
- 1つのLINE公式アカウントを分割して複数店舗として提供
- 複数アカウントが抱えるユーザーの一元管理・分析
- 複数アカウント共通で使えるポイントカードの提供
- 複数アカウントを横断したステップ配信・トラッキング・アンケート
- 最大300万件(LINE公式の2倍)までの大規模配信
COMSBIは複数の系列店やテナントを抱えられている企業様で、「複数アカウントをきめ細やかに管理・運営したい」とお考えの方に適しています。興味がおありでしたらぜひ一度、お気軽にご相談ください。
まとめ
今回は複数のLINE公式アカウントを一括で管理・運営できる「グループ機能」についてご紹介しました。グループ機能では専用の管理画面から、全アカウント一括でのメッセージ配信・各種設定が行えます。
また複数アカウントの管理・運営時には、COMSBIのようなLINE拡張ツールをご活用いただくことで、一括操作ときめ細やかな操作の両立も可能です。