2020年で第62回目を迎える、慶應義塾大学の学園祭「三田祭」。今年は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、「完全オンライン」での開催になりました。今回は、60年を超える歴史で初めての試みとなるオンライン開催に向けて準備を進める、三田祭実行委員会の委員長の柴田さん、PRチームの須藤さんにお話を伺いました。(インタビューは2020年10月に実施)
目次
三田祭は「学生活動のアウトプットの場」
―今年の三田祭について教えてください。
『例年の三田祭』は、毎年11月に慶應義塾大学三田キャンパスで開催されており、来場者数・参加団体数ともに日本最大規模の学園祭です。学内・学外の方々と交流できる貴重な期間であり、学生活動のアウトプットの場でもあります。出店なども多く出ますのでお祭り的な要素もありますが、塾生たちにとっては、自分たちが日頃取り組んでいるものを、対外的にもアピールする良い機会になっています。
参加者としては、塾生はもちろん、他大学や受験生の方、OB・OGや近隣住民の方などに参加いただいています。
『今年の三田祭』は新型コロナウイルス感染拡大の影響もあって、完全オンライン開催に切り替えることになりました。実行委員会としては、オンライン開催であっても、塾生に良い成果を上げてもらえるよう、できる限りバックアップしながら、参加者の方にも楽しんでもらえる場にしたいと思っています。
オンライン開催に対応するため、インフラ局を新設
―お二人の役割について教えてください。
(柴田さん)私は、委員長として、実行委員会全体の運営の管理をしています。特に今年は、コロナの影響もあり、初のオンライン開催になりますので、オンライン開催に対応するための組織づくりをすることに注力してきました。
新たに、オンライン開催のためのインフラ準備を担当する「インフラ局」を新設し、更にインフラ局の配下に5つのチームを組成しました。オンライン三田祭専用WEBサイトを構築するWEBチーム、VR企画を担当するVRチーム、当日の動画配信など担当する配信チーム、CM作成などを担当する制作チーム、広報マーケティングなどを担当するPRチームの5つです。
特に今回は、事前の「三田祭」の認知獲得とともに、認知してもらった上で当日にいかにオンライン参加してもらえるかという、当日の情報宣伝対策が非常に重要になってきます。須藤が所属するPRチームには、この当日の対策も含めた情報宣伝の役割を担ってもらっています。
(須藤さん)PRチームとしては、認知を広げて「オンライン三田祭」を知ってもらうことも重要ですが、一度興味を持ってもらった後に、いかに興味を薄れさせないかの仕組みづくりをすることも非常に重要だと考えており、リテンションするための施策をどうするかについて日々議論をしています。
(画像)新設された「インフラ局」。オンライン三田祭に向けた準備風景。
オンラインでも高揚感や一体感を出したい
―オンライン開催になったことで、課題に感じていることはありますか。
毎年20万人ほどが来場している三田祭ですが、今年はオンライン開催なので、どの程度参加してもらえるかまだまだ未知数で、やや不安に感じています。
今までの三田祭とは異なるため、みなさんが何に魅力を感じて参加してくれるのか、まだ模索中です。三田祭に限らず、学園祭などのイベントの醍醐味は、人が密集している空間の中で、友達と一緒に楽しむことだと考えているため、オンライン開催になった際にどの程度の高揚感が出せるのか、学園祭のように半日、1日など長時間滞在してもらえるか、など見えてない部分はあります。
自分の好きな時間に好きなコンテンツを楽しめる、というのはオンラインの良いところではありますが、委員会としては、できるだけ多くの企画を楽しんでもらいたいという思いもありますので、複数のイベントに参加してもらうための仕組み作りなどは重要だなと感じています。
(画像)例年の三田祭の様子。2020年の三田祭は「完全オンライン」開催に。
当日の参加率をいかに高めるか
―「イベントできる君」を知ったきっかけは何だったのでしょうか。
先ほどお伝えした通り、オンライン三田祭の参加者数を増やすためには、情報宣伝が非常に重要になってきますので、WEB広告系のサービスや、リテンションができるようなサービスの情報収集をしていました。
その中でLINEは、主な対象者である、学生や受験生の方が多く利用しており、イベントとの相性が良いなと感じていました。その中で、LINE公式アカウントと連携して、イベントの予約管理ができる「イベントできる君」のサービスを見つけました。
―なぜ「イベントできる君」を選んだのでしょうか。
もちろん、イベント情報が掲載され、予約などができるWEBサービスであったり、その他の広告媒体も検討したり、LINEを単体で利用することも考えました。その中で、オンライン三田祭のPR戦略にとって重要だったのが、参加者の方にとって使いやすいプラットフォームであることと、当日いかにイベント参加をしてもらえるかということだったため、この2つの観点から、「LINE × イベントできる君」が最も良い選択肢だと思いました。
―どのように「イベントできる君」を活用される予定でしょうか。
まずはイベントの予約受付窓口として使う予定です。また、予約したイベント毎に自動的にユーザーリストが生成されるため、参加したイベント内容に応じて、他のイベントのオススメをして回遊率を高める取り組みもしてみたいと考えています。
また御礼メッセージ配信機能もあるため、忙しい中でオンライン三田祭に参加してくれた方達に感謝のメッセージも送りたいと思います。
オンライン開催だからこそ得られたノウハウを次年度以降に活かす
―来年以降の三田祭のあり方についても教えてください。
来年以降の三田祭についてですが、できることなら、オフラインでの通常開催に戻ってほしいと思っています。やはり、密な空間に生まれる高揚感などを楽しむのが学園祭の醍醐味だと思っています。また、どうしてもオフラインの方が相性の良い企画などもありますので、そういうものはオフラインで開催したいですね。
一方で、オンラインだからこそ得られたものあります。例えば「イベントできる君」で予約管理を行う仕組みや、VR企画などは、オフライン開催であっても活かせる部分が大いにあると思っています。
オンラインとオフラインのハイブリットで開催することで、「足を運ばないと楽しめない三田祭」ではなく、「いつでもどこでも楽しめる三田祭」に転換することができるかもしれません。受験生、OB・OGでも遠方や、海外の方もいらっしゃいますので、そういう方にも参加してもらえるといいですね。仮にオフライン開催になった場合でも、今年の三田祭で発見したオンラインならではの良さはぜひ活かしていきたいですね。