LINEヤフー社では、LINE公式アカウントやLINE広告に加えて、企業・組織向けの新サービス「ビジネスマネージャー」も提供しています。このサービスでは、LINE関連サービスのユーザーデータと自社が保有する顧客データを組み合わせることで、配信内容や広告をよりパーソナライズすることが可能です。
今回はビジネスマネージャーについて、機能・始め方・活用イメージご紹介します。
目次
LINE公式との連携に便利な「ビジネスマネージャー」とは?
「ビジネスマネージャー」は、LINE(LINEヤフー株式会社)の1サービスで、LINE内外にある下記のデータを連携させて分析・活用できる基盤です。
- LINE公式アカウント(LINE公式)の各種ユーザーデータ
- LINE広告の各種ユーザーデータ
- LINE Tagのトラッキング情報
- 企業保有の顧客電話番号
- 企業保有の顧客メールアドレス
- その他、LINE・Yahoo! JAPAN関係のデータ
こちらでは自社顧客リストからオーディエンス(顧客の区分け)を作成してLINE公式での絞り込み配信に反映したり、複数アカウント・サービス間でオーディエンスを共有したりといったことが可能です。
ビジネスマネージャーは、基本無料・開発不要で導入ができます。
ビジネスマネージャーでできること・機能
ここではLINEのビジネスマネージャーの機能を3つに分けてご紹介します。
オーディエンスの共有
ビジネスマネージャーでは、下記のサービスにて個別に作成したオーディエンス(顧客の区分け)を、サービス間で共有できます。
- LINE公式
(メッセージ開封 / リッチメニュークリック / ユーザーID / LINE Tag 等) - LINE広告
- Talk Head View
- LINE NEWS TOP AD
具体的には、LINE公式のオーディエンスをLINE広告に反映したり、複数のLINEアカウント間でオーディエンスを共有したりといったことが可能です。
オーディエンスの作成
ビジネスマネージャーでは、企業独自の顧客データ(下記)を基にしたオーディエンス「カスタムオーディエンス」の作成も可能です。
- LINE Tagの集計結果のリスト(Web上での顧客の動向)
- 広告識別子(IDFA / AAID)のリスト
- 顧客の電話番号リスト
- 顧客のメールアドレスリスト
こちらはLINE公式と組み合わせることにより、Messaging APIの開発や拡張ツールの導入なしで、電話番号等に基づく配信が実現します。
Conversion APIのアクセストークン発行・管理
ビジネスマネージャーからは、「Conversion API」を利用する際に必要なアクセストークンも発行・管理できます。Conversion APIは、Webサイト上での顧客の動きをLINE Tag・Cookieなしで直接的に追跡できるサービスで、LINE公式・LINE広告のターゲティングに有効です。
ビジネスマネージャーとLINE公式の接続が必須に
2025年6月25日以降、新規に開設するLINE公式アカウントではビジネスマネージャーとの接続が「必須」となります。(従来は不要・任意)
また、2026年3月頃より、既存のLINE公式アカウントでもビジネスマネージャーとの接続が「必須」となる予定です。
※LINEヤフー株式会社認定のセールスパートナーによるアカウントは、現時点では対象外とされています。
LINE公式からビジネスマネージャーを始める方法
ここでは、LINE公式との接続が必須となる予定のビジネスマネージャーについて、その作成・接続方法をお伝えします。
LINE公式からビジネスマネージャーを作成・接続するにはまず、PC版管理画面(LINE Official Account Manager)にアクセスして「設定」をクリックします。
ビジネスマネージャーの新規作成・接続は、「設定」クリック直後に表示される「アカウント設定」の画面から直接可能です。
「作成」をクリックした場合の画面は以下のとおりです。ここでLINEヤフープライバシーポリシーを通読して、同意できる場合は「開始する」をクリックします。
続いて、以下の登録画面に保有する組織やビジネスの情報を入力して、「同意して作成」を選びます。ビジネスマネージャーの使用は、組織・ビジネスが審査を通過した場合にのみ可能です。
ビジネスマネージャー×LINE公式の活用イメージ
LINE公式をビジネスマネージャーに接続した場合の活用イメージは以下のとおりです。LINE公式を単体で運用する場合と比べて、きめ細やかな配信内容のパーソナライズが目指せます。
- 各ブランドのLINEアカウント間でオーディエンスを共有
- 各サービスのLINEアカウント間でオーディエンスを共有
- 顧客リストから作成したオーディエンスに基づく配信
- 顧客の購買履歴・消費サイクルに応じた配信
- 顧客のロイヤルティ(来店頻度 / 反応率 等)に基づく配信
ビジネスマネージャー×LINE公式の運用時の注意点
ビジネスマネージャーとLINE公式を組み合わせて活用する場合は、ビジネスマネージャー側とLINE公式側それぞれの仕様(下記)に注意が必要です。
- ビジネスマネージャー側の仕様
- データ連携には「接続認証審査」の通過が必須
- 作成できる組織(≒ビジネスマネージャーのアカウント)は1社につき1つまで
- 1組織に登録できるLINE公式は100アカウントまで
- ビジネスマネージャーからLINE公式等外部サービスの操作は不可
- LINE公式側の仕様
- カスタムオーディエンスによる絞り込み配信時は50人以上の対象が必要
- 複数アカウントと自社データの連携時はアカウント別に操作が必要
(各店舗で個別にアカウントを保有する場合は、連携・配信時の作業量が多くなる)
ただし、ビジネスマネージャー×LINE公式のみでは、「顧客一人ひとりを特定した配信」や「複数店舗での運用効率化」が困難です。これらをLINE公式で実現したいとお考えの方は、弊社の「COMSBI」等、LINE拡張ツールの導入をご検討ください。
まとめ
今回は、LINE公式・LINE広告のユーザーデータと自社保有の顧客データを掛け合わせて、配信や広告に活用できるサービス「ビジネスマネージャー」をご紹介しました。こちらはAPIの開発・有料ツールの導入不要で、LINE系サービス間でのオーディエンス共有や自社顧客リストに基づくオーディエンス作成を実現します。