LINE公式アカウントの「セグメント配信 / 絞り込み配信」では、友だちを属性・アクション別で小分けにして、一部の層にだけ配信が行えます。こちらをうまく活用することで、メッセージ通数・ブロック率を抑えながら、効果的な配信が実現できるかもしれません。
今回はそんなセグメント配信の機能・強み・限界をご紹介します。LINEマーケの費用対効果を高めていきたい方は必見です。
目次
LINE公式「セグメント配信」の概要
LINE公式アカウント(LINE公式)では、ユーザーを特定の条件で小さな集団「セグメント」に分けることが可能です。このセグメントを対象とした、セグメント配信(正式名称:絞り込み配信)まで行えます。
このセグメント配信は、メッセージ通数・ブロック率を抑えながら、効果的な配信を実現するだけのポテンシャルを秘めています。次項からは、その詳細をみていきましょう。
LINE公式のセグメント配信にできること
まずは、LINE公式のセグメント配信(絞り込み配信)にできること・機能をご紹介します。属性での絞り込み配信から、詳細を追っていきましょう。
属性での絞り込み配信
LINE公式のセグメント配信では、ユーザーを下記5つの「属性」で絞り込むことができます。絞り込みはAND条件でのみ可能で、属性を掛け合わせながら対象を狭めていく形になります。
- 友だち期間
- 性別
- 年齢
- OS
- エリア
なお、この属性は自動でユーザーに割り振られるのが特徴。後述のオーディエンスとは異なり、配信を重ねなくても絞り込めます。
オーディエンスでの絞り込み配信
LINE公式のセグメント配信では、ユーザーが過去にとったアクションで絞り込む「オーディエンス」も可能です。その種類は、下記のとおりです。
- メッセージクリック:メッセージのURLをクリックした
- メッセージインプレッション:メッセージを開封した
- リッチメニュークリック:リッチメニューをクリックした
- リッチメニューインプレッション:リッチメニューを表示した
- 友だち追加経路:特定の経路から友だち追加をした
- チャットタグ:手動でのタグが付けられた
- 予約:LINEで予約を使った
- ウェブトラフィック:LINEから特定のページにアクセスした
- ユーザーIDアップロード(要Messaging API / 拡張ツール)
こちらもAND条件での絞り込みにのみ対応していて、他のオーディエンスや属性と掛け合わせることで、CVの見込みのありそうな層が狙えます。
LINE公式のセグメント配信のメリット
続いてはLINE公式のセグメント配信(絞り込み配信)を活用するメリットをご紹介します。マーケティング面での強みから、詳しくみていきましょう。
購買意欲の高いユーザーが狙える
LINE公式のセグメント配信では、ユーザーの属性や過去のリアクションに応じて最適なメッセージが送り分けられます。そのため、商品・サービスの告知を行う際には、購買意欲の高い層のみを狙うことが可能。LINEマーケの効果が最大限引き出せそうです。
メッセージ通数が節約できる
LINE公式の各種メッセージ配信には、下表のとおりプラン別での制限・課金要素があります。
コミュニケーションプラン |
ライトプラン |
スタンダードプラン |
|
---|---|---|---|
月額固定費 |
無料 |
5,000円 |
15,000円 |
無料メッセージ通数 |
200通 |
5,000通 |
30,000通 |
追加メッセージの可否・料金 |
不可 |
不可 |
〜3円/通 |
備考 |
【メッセージ通数にカウントされるもの】 【メッセージ通数にカウントされないもの】 |
参考資料:LINE公式アカウント 料金プラン
そこで活躍するのがセグメント配信です。セグメント配信なら、CVにつながらなさそうな配信が未然に回避できます。絞り込みのコツを掴む必要はありますが、運用次第でメッセージ通数が節約できるはずです。
ブロック率が抑えられる
LINE公式は「ブロック中の友だちには配信が届かない」という大きな欠点を抱えています。しかも、ブロック率の平均はなんと30%!ユーザーは下記があると、LINE公式をたやすくブロックしてしまうのです。
- ユーザーと無関係な配信
- ユーザーの興味を引かない配信
- 必要以上に繰り返す配信
そんなLINEマーケの難所・ブロックを制する鍵は、セグメント配信にあります。セグメント配信なら、ユーザーの関心を引きそうな配信を適切な回数で実施可能。絞り込みのコツを掴めば、ブロック率が抑えられるでしょう。
LINE公式のセグメント配信にできないこと
便利なLINE公式のセグメント配信にもできないこと・限界はあります。以下、その詳細をお伝えしていきます。
小規模集団の絞り込み
LINE公式のセグメント配信では、個人〜数十人単位での絞り込みができません。
まず、属性で絞り込む場合は、1属性につきターゲットリーチ数(下記参照)が100人以上必要となります。
「全友だち −(ブロック中 + 詳細不明)= ターゲットリーチ数」
そして、下記オーディエンスについては、ターゲットリーチ数が50人以上必要です。
- メッセージクリック
- メッセージインプレッション
- リッチメニュークリック
- リッチメニューインプレッション
- 友だち追加経路
- ウェブトラフィック
さらに、属性やオーディエンスの条件を複数掛け合わせる際にも制限があります。絞り込んだあとの対象が50人以上にならないといけないのです。
※なお、拡張ツールの導入で個別・小規模でのセグメント配信が可能となります。
正確なデータの把握
LINE公式のセグメント配信における、ユーザーの属性データは不正確。下記の仕様のため、ユーザーの実態がダイレクトに反映されていません。
- ユーザー一人ひとりでの属性が確認できない
- 未記入の場合「不明」となる
- 属性への反映には3日間のタイムラグがある
リサーチ機能との連携
LINE公式では「リサーチ機能」を使って、下記仕様のユーザー向けアンケートが実施できます。
- 設問は性別・年齢・居住地が選べるほか、任意で追加も可能
- 回答形式は、単一選択・複数選択・自由記述が選択可
- 10段階の「アカウント満足度調査」も可能
ただ、このリサーチ機能はセグメント配信との連携に非対応。アンケート結果を絞り込みの条件とすることはできないのです。
細かな条件指定
LINE公式では、購買回数 / ポイント付与数 / LINEミニアプリ利用回数…etc.細かな条件での絞り込みも不可。店舗運営とリンクしてのセグメント配信はできません。
OR条件での絞り込み
LINE公式での複数属性・複数オーディエンスの組み合わせは、AND条件でのみ可能。OR条件での絞り込みはできません。AND条件とOR条件の絞り込み範囲の違いは、以下のとおりになります。
- AND条件(論理積):条件を掛け合わせながら狭くしていく
- OR条件(論理和):条件を足し合わせながら広めていく
※なお、一部の拡張ツールではOR条件での絞り込みが可能。複数のセグメントに対して、一度で漏れなく重複なく配信が行えます。
まとめ
今回は、LINE公式で使える「セグメント配信」について、詳細をご紹介しました。属性・オーディエンスで絞り込めるセグメント配信のメリットは以下のとおりでしたね。
- 購買意欲の高いユーザーが狙える
- メッセージ通数が節約できる
- ブロック率が抑えられる
ただし、便利なセグメント配信にも「個人〜数十人単位で絞り込めない」「OR条件が選べない」等の限界はあります。できること・できないことを把握したうえで、うまく使いこなしていきたいですね。