LINE Developersのプロバイダーでは、配下にある各チャネルのユーザー一人ひとりに対して「LINEユーザーID」が発行可能です。LINE公式アカウントのユーザーを識別したり、Messaging APIチャネル経由で個別のユーザーにメッセージを送信したりする際に用います。
今回はこのLINEユーザーIDについて、取得方法や活用シーン・注意点を紹介します。
目次
LINEユーザーIDとは?
「LINEユーザーID」とは、LINE Developersのプロバイダーから、配下にある各チャネルのユーザー一人ひとりに自動で発行できる識別子を指します。その特徴は下記のとおりで、こちらはMessaging APIチャネル経由で個別のユーザーにメッセージを送信する際に必要となります。
- Messaging APIチャネルで連携しているLINE公式アカウントのユーザーにIDを発行できる
- ユーザーごとに異なる文字列で、Uの後に32桁の16進数(0〜9、a〜f)が続く
- プロバイダー単位で発行され、異なるプロバイダー間では共有されない(異なるIDになる)
- 同じプロバイダーの配下にあるチャネル間では、同じIDが共有される
※当記事でご紹介する「LINEユーザーID」と、LINEアプリでユーザー側が設定できる「表示名 / 友だち検索用のID」は異なるものです。
LINEユーザーIDの取得方法
LINEユーザーIDの取得方法は、以下の4パターンです。その中で、使用頻度が高いのはWebhook経由でのID取得で、スプレッドシートや拡張ツールとLINE公式アカウント(LINE公式)を連携させる際にしばしば用いられます。
- Webhookで連携した外部サービスにユーザーIDを送信して取得
- 「チャネル基本設定」タブの「あなたのユーザーID」から開発者自身のIDを取得(※1)
- エンドポイントから友だち全員のIDを取得(※2)
- エンドポイントからグループ / 複数人トークのメンバーのIDを取得(※2)
※1:「LINEアカウントでログイン」している場合のみ取得可能です。
※2:「認証済アカウント」または「プレミアムアカウント」でのみ利用可能です。
LINEユーザーIDの活用シーン
Messaging APIチャネル経由で個別のユーザーにメッセージを送信できるLINEユーザーIDの活用場面としては、下記のようなものが挙げられます。
- 個別のユーザーに宛てたメッセージ送信
- FlexMessageの送信
- ユーザーのタグ付け
- 開発者自身のLINEアプリへのメール転送
COMSBIでのLINEユーザーID活用例

COMSBIでは、LINEユーザーIDを活用した来店型キャンペーンやポイントシステムなどの施策を展開できます。ユーザー単位での計測・再アプローチ・特典付与が可能で、LINE上で顧客ごとの行動データを可視化できます。
実際に、食品メーカーや商業施設では、COMSBI経由でユーザーIDを活用し、キャンペーン参加履歴や再来訪データを分析。これにより、施策効果の測定やリピーター育成、購買データとの連携などがスムーズに行えます。
たとえば、LINEログインを利用したクーポン発行やアンケート回答時にユーザーIDを自動取得し、友だち追加やポイント付与を同時に行うなど、マーケティング施策を「LINE上で完結」させることも可能です。
LINEユーザーIDの注意点
LINEユーザーIDを活用する際の注意点は、下記の2点です。
- 控えたIDが無効(※)な場合、Messaging APIチャネル経由でのメッセージ送信ができない
- IDを共有したいチャネル同士は1つのプロバイダーにまとめる
※プロフィール情報を取得するエンドポイントから、HTTPステータスコード200以外が返ってくる場合を指します。
まとめ
今回はLINEユーザーIDの特徴や取得方法をご紹介しました。LINEユーザーIDはプロバイダーごとに発行されるユーザーの識別子で、Messaging APIチャネル経由で特定のユーザーにだけメッセージを送信する際に用います。その取得はWebhook経由で行えて、拡張ツールやGASとの連携にも対応しています。
特にCOMSBIのようなLINE拡張ツールを活用すれば、ユーザーIDをもとにLINEログイン・会員証・クーポンなどを統合し、「LINE上で完結する顧客体験」を簡単に設計できます。今後のLINEマーケティングにおいて、ユーザーIDの理解と活用は欠かせない要素となるでしょう。

