LINE Developersには「プロバイダー」という概念が存在し、LINEでサービスを開発・リリースする際に欠かせない、いわば「LINE Developersでの活動拠点」となっています。
今回は、そんなLINE Developersのプロバイダーに関して、仕様から作成・設定方法、「認証プロバイダー」の概要まで紹介していきます。「LINE上で+αの機能・サービスを提供したい」とお考えの方は是非ご参照ください。
目次
LINE Developersの「プロバイダー」とは?
LINEのプラットフォーム上で配信自動化 / ログイン連携 / ミニアプリ…etc.さまざまなサービスをリリースできるWebサイト・LINE Developersには、「プロバイダー」という概念が存在します。
このプロバイダーは機能やサービスの提供元(開発者個人 / 企業 / 団体など)を識別するための区分で、LINE Developersにおける活動拠点といえます。実際にLINE Developersから機能やサービスを開発・リリースするにあたっては、このプロバイダーの作成が必須です。
- プロバイダーの名前は「サービス提供者」欄にて、ユーザーから確認が可能
- 開発者アカウントごとに最大10個までプロバイダーが作成可能
- プロバイダーの配下には、通信経路「チャネル」が作成可能
(機能をリリースする際には、各機能に対応するチャネルの作成が必須)
LINE Developersのプロバイダーの使い方
ここからは、LINE Developersコンソールからプロバイダーを作成・設定・削除する方法について、まずは、プロバイダーの作成方法からみていきましょう。
作成方法
プロバイダーはLINE Developersの管理画面「LINE Developersコンソール」から作成します。LINE Developersコンソールへは、LINE Developers公式サイトトップの画面右上「コンソール」ボタンからアクセスができます。(下図)
LINE Developersコンソールのホーム画面にアクセスすると、「プロバイダー」欄があるので、プロバイダーを作成するには、右横にある緑色のボタン「作成」をクリックします。
ボタンクリック後は、以下のようにプロバイダー名の入力欄がポップアップ表示されますので、入力し右下の「作成」を押下します。これでプロバイダーの作成は完了です。
なお、自分が作成したプロバイダーについては、Admin権限が適用されます。
設定画面の開き方(Admin限定)
プロバイダーの設定画面にはLINE Developersコンソールのホーム画面「プロバイダー」欄の一覧から、任意のものをクリックすることでアクセス可能です。。自分が作成した、またはAdmin限定を持っているプロバイダーについては、設定画面からその設定・削除も行えます。(下図)
一覧からプロバイダーをクリックすると、以下の設定画面トップに移ります。ここからはチャネル設定ができて、権限設定画面・プロバイダー設定画面への切り替えも可能です。(下図青枠)
権限設定の手順(Admin限定)
設定画面トップからは「権限設定」をクリックすると以下の権限設定画面に遷移します。こちらでは「メールで招待」ボタンからメンバーの招待が、「リスト」からメンバーの権限変更・削除がそれぞれ可能です。
なお、自分以外のメンバーがいる場合は各メンバーの権限変更・削除できます。
- 権限の変更:各メンバーの右側にある「編集」をクリック後、権限を選択
- メンバーの削除:名前の左側にあるチェックボックスを選択後、「選択したデータを削除」をクリック
→LINE公式アカウント / LINE Developersの権限管理についての記事はこちら
詳細設定・削除の手順(Admin限定)
設定画面トップから「プロバイダー設定」をクリックすると、以下の画面が切り替わりで表示されます。「プロバイダー名」欄下部「編集」ボタンからプロバイダー名の変更が、「プロバイダーの削除」欄下部「削除」ボタンからプロバイダーの削除が、それぞれ可能です。
【番外編】プロバイダーとLINE公式の連携方法
LINE公式アカウントではMessaging APIチャネルを介して、既存または新規のプロバイダーとの連携・紐付けが可能です。
まず、LINE公式アカウントのPC版管理画面(LINE Official Account Manager)にログインします。既存のプロバイダーと連携させたい場合は、そのプロバイダーのAdmin権限を持つLINE Business IDでログインしてください。
その後、LINE公式アカウントのトップ画面から画面右上の歯車アイコン「設定」をクリックします。
設定画面から左側サイドバーの「Messaging API」をクリックします。以下の画面が表示されたら、緑色のボタン「Messaging APIを利用する」を押下します。
ポップアップ画面が現れ、LINE Developersアカウントがない場合は、開発者情報の入力が可能となります。
すでにLINE Developersアカウントがある場合or開発者情報を入力した後には、以下のプロバイダー選択画面が出現します。連携させるプロバイダーについては、新規のものを作成するか既存のものを使うかが選択可能です。どちらかにチェックを入れて「同意する」ボタンをクリックします。
プロバイダーを選択すると、画面がプライバシーポリシーと利用規約のURLの任意入力欄に切り替わります。こちらも適宜入力して最終確認を済ませれば、LINE公式アカウントとプロバイダーの連携は完了です。
「認証プロバイダー」について
プロバイダーのなかでも、LINEヤフー社の審査を突破してその安全性・信頼性が認められたものは「認証プロバイダー」として扱われます。この認証プロバイダーでは、下記の特典が利用可能です。
- 同意画面でユーザーに対して「認証プロバイダーバッジ」を表示できる
- プロバイダーページを設定・公開できる
- ユーザーのLINEログイン時にデフォルトで、LINE公式アカウントを友だち追加させられる
- オプションAPI等の追加機能が解禁される
- ミッションスタンプAPI:LINEスタンプをアンケート等の報酬にできる
- 既読API:ユーザーからのメッセージを全件既読状態にできる
- LINE通知メッセージAPI:ユーザーの電話番号にメッセージを送信できる
「認証プロバイダー」の申請方法
プロバイダーを「認証プロバイダー」にアップグレードするには、LINEヤフー公認の代理店「Sales Partner」を通して審査を申請する必要があります。
詳細はこちら:認証審査申請前に確認するべき項目がまとまったものはありますか? | LINE for Business
LINE Developersのプロバイダーの注意点
最後に、LINE Developersのプロバイダーを活用する上での注意点をお伝えします。
連携させるチャネル同士は1つのプロバイダーにまとめる
LINE Developersは、同じプロバイダーの配下にあるチャネル間でのみ、同じユーザーに対して1つのユーザーID(UID)を共有・利用できる仕様になっています。この仕様により、「Messaging APIとLINEログイン」というふうに、チャネル同士でユーザー情報の連携が可能です。
逆にプロバイダーが違うと、同じユーザーであっても、全く別のユーザーIDが発行されてしまいます。ですので、複数のチャネルを連携させたい場合は、それぞれを同じプロバイダーの配下に設置するようにしましょう。
※一度開設したチャネルを削除せずに別のプロバイダーへ移動させることは原則不可能です。特にMessaging APIチャネルについては、連携先を間違えてしまった場合、LINE公式アカウントの再作成が必要となります。連携の際には、ログイン中のLINE Business IDを入念に確認しましょう。
まとめ
今回は、LINE Developersの「プロバイダー」について、その仕様・使い方をお伝えしました。
- 機能・サービスの提供元を識別するための区分
- 機能・サービスのリリース時に作成が必須
- プロバイダーの名前は「サービス提供者」欄にて、ユーザーから確認が可能
- 開発者アカウントごとに最大10個までプロバイダーが作成可能
- プロバイダーの配下には、通信経路「チャネル」が作成可能
(機能をリリースする際には、各機能に対応するチャネルの作成も必須)
LINEで+αの機能を開発・リリースする際には、プロバイダーが欠かせません。COMSBI(コムスビ)を利用いただく際には弊社で開設代行も可能ですのでお気軽にご相談ください。