LINE公式アカウント運用において、多くの企業・店舗さまが課題として挙げるのが「問い合わせ対応」です。営業時間外に返信できない、同じ質問が何度も届くなど、現場負担は想像以上に大きいものといえます。
その中で 2025年11月12日にLINEヤフーから発表されたのが「AIチャットボット(β)」。
LINE公式アカウントに標準搭載される “AIによる自動応答” 機能で、今後のLINE運用に大きな影響を与えるアップデートです。
本記事では、公式発表をもとに機能や特徴を整理しつつ、実際の運用目線で解説します。
目次
AIチャットボット(β)とは?
AIチャットボット(β)は、ユーザーから届いたメッセージをAIが理解し、事前に設定したQ&Aの中から最適な回答を返してくれる機能です。
従来の応答メッセージでは、
- キーワード完全一致が必要
- 言い回しが違うと拾えない
- 複雑な質問に対応できない
といった制限がありました。
今回のAIチャットボット(β)では、
- “文脈理解”により意図を読み取る
- 言い回しが異なっても対応
- 部分一致や曖昧な質問でも判断
といった柔軟なコミュニケーションが可能になっています。
また、自由生成ではなく「設定済みQ&Aの中から最適な回答を選ぶ方式」のため、誤った返答リスクも抑えられています。
AIチャットボット(β)の特徴
- PDF・画像からのQ&A自動生成
資料をアップロードするだけで、AIが質問と回答を抽出。初期構築の負担が大きく軽減されます。 - 手動で柔軟に編集可能
自動生成されたQ&Aは管理画面上で自由に追加・修正できます。 - 統計情報から改善できる
ユーザー評価を収集し、Q&Aを改善し続けられます。
AIチャットボット(β)のメリット
- 24時間自動対応で返答遅延を防ぐ
夜間・週末でもすぐ回答でき、機会損失を防止。 - 曖昧な質問にも柔軟対応
「今日空いてます?」「予約したいのですが」などの“ゆるい質問”も拾えます。 - 問い合わせ対応の工数削減
EC、美容、飲食など、問い合わせが多い業種では特に効果的です。 - ユーザーニーズの可視化
問い合わせ傾向を分析し、サービス改善にも活かせます。
活用シーンの例
飲食店
営業時間・メニュー・混雑状況などをAIで即時案内。
整骨院/整体・美容室・サロン
料金、予約、メニュー案内など高頻度の質問をAIが処理。
EC / 通販
送料・支払い方法・配送など、FAQ中心の対応に最適。
宿泊・観光施設/レジャー施設
空室/空き状況、キャンセル規定、アクセス案内を自動化。
利用条件と注意点
- チャットProオプション(月額3,000円)が必要
→ ただしQ&A自動生成やデモは無料でお試し可能 - 対象外となる業種・アカウントあり
- Web版管理画面(PC)からのみ設定可能
COMSBIでも「拡張AIチャットボット」を搭載予定

画像やカードタイプなどのメッセージにも対応予定
LINE公式のAIチャットボット(β)は便利なアップデートですが、FAQ選択型であるため、
- 個別ユーザーデータの参照
- ポイント・会員証などの統合
- シナリオ自動分岐
- 購買データとの連動
- パーソナライズ回答
といった高度なコミュニケーションはまだ実現できません。
そこでCOMSBIでは現在、AIチャットボット(β)を踏まえた “拡張AIチャットボット” の提供を準備中です。
予定している主な機能は下記の通りです。
- 顧客属性・会員データに応じたパーソナライズ回答
- セグメント機能との連動
- シナリオ配信や販促施策との統合
- 回答文の自動生成・自動最適化
- カスタマーサポート・販促のハイブリッド化
LINE公式のAIチャットボット(β)を“入り口”として活用しつつ、より深い顧客対応・CRM運用はCOMSBIで拡張できるような設計を目指しています。
まとめ
AIチャットボット(β)は、
- 24時間自動応答
- 自然な文脈理解
- Q&Aの自動生成
など、LINE公式アカウントの問い合わせ対応を大きく進化させる機能です。
一方で、より高度なCRMやパーソナライズを行いたい企業にとっては、COMSBIの「拡張AIチャットボット」が大きな価値を提供できる領域となります。
LINE運用の自動化・高度化を進めたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

