LINE公式アカウントのショップカードとクーポンでは、二次元コードを介して顧客に特典を付与できます。こちらは便利な機能ですが、同時に不正利用のリスクもあり、対策が必要です。
今回は、このショップカード・クーポンにおける不正利用対策について、具体的な方法をご紹介します。特別なツール不要でできる対策についても触れておりますので、ショップカード・クーポンをご活用中の方はぜひご一読ください。
目次
LINE公式のショップカード・クーポンは不正利用も
LINE公式アカウント(LINE公式)では、ショップカード・クーポンを発行して、顧客に特典(ポイントや割引券等)を付与できます。
この特典については専用の二次元コードから簡単に付与が可能ですが、同時に下記に挙げたような不正利用のリスクも考えられます。こちらは別途、対策が必要です。
- 無関係の第三者が、写真越しに特典付与用の二次元コードを読み取るリスク
- 1つの二次元コードから特典が繰り返し取得されるリスク
- 店内限定の特典が店外から取得されるリスク 等
LINE公式のショップカード・クーポンでできる不正対策
ここでは、LINE公式のショップカードやクーポンでできる不正対策を4点ご紹介します。
読み取り時にのみ二次元コードを提示する
先述のとおり、ショップカードやクーポンでの特典付与に使用する二次元コードでは、第三者による不正利用のリスクがあります。
それに対する最も簡単な防止策として、読み取り時以外に特典付与用の二次元コードを提示しないことが挙げられます。会計時や注文時等、スタッフが見ているタイミングでのみ二次元コードを提示することで、不正利用の防止が可能です。
回数制限を設ける
LINE公式のショップカードとクーポンではそれぞれ、作成時に「ショップカードのポイント取得回数制限」と「クーポンの使用回数制限」が設定可能です。それぞれの仕様は下記のとおりで、店内掲示の二次元コードやその写真が繰り返し不正に読み取られることを阻止できます。
- ショップカード:ポイント付与後1時間〜1日の間に再度ポイントを付与できないように設定可
- 通常のクーポン:同じクーポンを再度獲得・使用できないように設定可
- 抽選クーポン:同じクーポンを再度獲得・使用できないように設定可
- 友だち紹介クーポン:友だち紹介で得られるクーポンの上限を設定可
「位置情報による制限」を有効にする
LINE公式のショップカードでは、ポイント付与用の二次元コードを発行する際に「位置情報による制限」も設定できます。その仕様は下記のとおりで、実店舗以外での不正取得を対策したい場合に有効です。
- 店舗から300m以上離れた場所でのポイント付与二次元コードの読み取りを制限
- 設定時には別途、店舗の位置情報の登録が必要
- ユーザー側で位置情報の取得を有効化していない場合はポイント付与が不可
NFCタグを活用する
ショップカード・クーポンの不正対策としては、二次元コードの代わりに端末をかざして読み取るICチップ「NFCタグ」を使用する方法もあります。こちらは下表のとおり、二次元コードと比べて第三者による利用が困難です。加えて、任意の情報を書き込んでおけるため、ショップカードのポイント付与やクーポン付与での活用に適しています。
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NFCタグ |
二次元コード |
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|---|---|---|
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読み取りの原理 |
ICチップに書き込まれたデータを無線通信で受け取る |
コード化されたURLをカメラで読み取る |
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読み取り時のアクション |
端末(スマートフォン)をかざすのみ |
カメラの起動が必要 |
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設定方法 |
ショップカード・クーポンのURLを専用アプリで書き込み |
LINE公式の管理画面から発行 |
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掲載・提示方法 |
・シール |
・画面表示 |
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ユーザーによる複製 |
不可(読み取りにはNFCタグ本体が必要) |
可(コピーや写り込んだ画像からでも読み取り可) |
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再利用 |
可(専用アプリで書き換え可) |
不可 |
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導入コスト |
やや高価 |
安価 |
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物理的な耐久性 |
高 |
低 |
ショップカード・クーポンでの不正対策のやり方
続いて、ショップカードとクーポンの不正対策について、実際のLINE公式管理画面(LINE Official Account Manager)での方法・手順をご紹介します。
クーポンの使用回数制限
先述のとおり、LINE公式の管理画面では同じクーポンを不正に繰り返し利用されないようにする設定ができます。その手順は以下のとおりで、クーポン作成時のみ設定が可能です。
- 管理画面左側のサイドバーから「クーポン」を選択
- 新規クーポンを「作成」
- 「条件なし / 抽選 / 友だち紹介」のいずれかを選択
- 作成画面の使用可能回数(獲得可能回数)の欄で「1回のみ」を選択
なお、実際のクーポン作成画面での設定箇所は、以下のとおりです。
(画像は上から条件なし、抽選、友だち紹介の順)
ショップカードのポイント取得制限
LINE公式の管理画面では、ショップカード作成時に、一定期間内でのポイント再取得を制限する設定も行えます。こちらは下記の手順で可能です。
- 管理画面左側のサイドバーから「ショップカード」を選択
- ショップカードを「作成」
- 作成画面のポイント取得制限の欄で、取得後から再取得できるまでの時間を設定
なお、実際の画面での設定欄は、下図のとおりです。
ショップカードでの位置情報による制限
LINE公式のショップカードでは、カードの作成後にポイント付与二次元コードを発行できます。このポイント付与二次元コードについては先述のとおり、発行時に「位置情報による制限」が設定可能です。その方法は以下のとおりです。
- ショップカード作成後、管理画面左側のサイドバーから「ショップカード」を選択
- 管理画面左側のサイドバーから「ポイント付与」を選択
- 「作成」を選択
- 作成画面の位置情報による制限の欄を選択(下図)
LINE公式のショップカード・クーポンの注意点
LINE公式のショップカード・クーポンでの注意点として、「作成後の再設定はできない」ことが挙げられます。すでにショップカードやクーポンを発行していて、不正対策を新たに行いたい場合は、一度ショップカード・クーポンを削除したうえでの再作成が必要です。
COMSBIで実施できる不正利用対策
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まとめ
今回は、LINE公式のショップカードとクーポンにおける不正利用対策の方法をご紹介しました。ショップカード・クーポンでは、特典付与用の二次元コードを経由した不正利用のリスクがあります。こちらについては管理画面から対策ができますので、ショップカード・クーポンを活用されている方はご確認ください。