LINE公式アカウントでは、ユーザーとの会話を自動化する「チャットボット」が提供可能です。こちらは2種類の提供形態から選べ、対応の効率化や多彩なコンテンツの発信が図れます。
今回は、このLINE公式を活用したチャットボットについて、仕様・メリット・注意点などをご紹介します。
目次
LINE公式を活用したチャットボットとは?
LINE公式アカウント(LINE公式)のチャットでは、ユーザーに無人・自動で会話を提供するサービス「チャットボット」が公開可能です。こちらはよくある質問への対応やインタラクティブなコンテンツの提供に適しています。
LINE公式で使えるチャットボット機能の種類
LINE公式でチャットボットを実装・公開するには、下記サービスのいずれかを活用する必要があります。
- 応答メッセージ:LINE公式備え付けの機能
- Messaging API:LINE Developersの開発者向けツール
ここでは、各サービスの詳しい機能・仕様についてご紹介します。
※AI搭載のチャットボットを公開できる機能「AI応答メッセージ」については、2023年11月でサービスの提供が終了しました。
応答メッセージ
LINE公式に標準搭載の「応答メッセージ」は、ユーザーからのメッセージに対してあらかじめ設定したテンプレートを自動で返せる、というチャットボット機能です。こちらは応答の条件を下記の2種類から選べて、うちキーワード応答についてはリッチメニュー等と組み合わせた使い方もできます。
- 一律応答:内容を問わず全メッセージに対して応答
- キーワード応答:事前設定したKWと完全一致するメッセージにのみ応答
応答のスタイルは一問一答形式でシンプルですが、無料で使えて有人対応とも併用できる点が魅力です。
※なお、応答メッセージではテキストに限らず、下記の多種多様なメディアをテンプレートに設定できます。
- テキスト
- 写真
- リッチメッセージ(画像バナー)
- カードタイプメッセージ(スライド式のバナー)
- 動画
- クーポン(LINE上で使える電子クーポン)
- リッチビデオメッセージ(動画+ボタン)
- スタンプ
- ボイスメッセージ
- リサーチ
Messaging API
LINE公式でのチャットボット提供は、LINE Developersの1サービスでLINE公式の機能を拡張できる「Messaging API」からも行えます。
こちらは開発者向けサービスのため、チャットボットの実装に「開発」または「既製ツールの導入」が必要となりますが、応答メッセージと比べてより高度なチャットボットが実現可能。例えば、Messaging APIでは下記のような機能を備えたチャットボットが作れます。
- シナリオ・条件分岐に沿った応答
- 自社データベースに基づいた応答
- 会話時にユーザーIDとプロフィールの取得
- 診断・ゲーム要素のある応答 等
※なお、Messaging APIでは、下記のテンプレートを活用して会話のシナリオ・内容を構築できます。
- テキストメッセージ
- テキストメッセージ(v2):メンション・絵文字の置換に対応
- スタンプメッセージ
- 画像メッセージ
- 動画メッセージ
- 音声メッセージ
- 位置情報メッセージ
- クーポンメッセージ
- イメージマップメッセージ:タップできる画像をタイル状に並べて配置可能
- ボタンテンプレート:電話の起動やURLへの遷移等、タップ時のアクションを設定可能
- 確認テンプレート:選択肢形式のボタンで、2種類のアクションを設定可能
- カルーセルテンプレート:複数のボタンテンプレートを並べて配置可能
- 画像カルーセルテンプレート:複数の画像を並べて配置可能
- Flex Message:CSS Flexible Boxにより内容をカスタマイズ可能
LINE公式にチャットボットを導入するメリット
ここでは、LINE公式にチャットボットを導入するメリットについて3点ご紹介します。
ユーザーが気軽に問い合わせられる
LINE公式にチャットボットを導入することで、ユーザーは24時間365日待つことなく、普段使っているLINEアプリから問い合わせができます。有人チャットや電話での場合に比べて気軽に問い合わせられる点がメリットです。
こちらはチャットボットを提供する側にとっても、「自然な接点構築」や「ユーザーの離脱抑制」等、メリットがあります。
問い合わせ対応を効率化できる
チャットボットには、LINE公式での問い合わせ対応の効率化も期待できます。
こちらは具体的に、営業時間やメニュー等、よくある質問への対応の自動化が可能。さらに手動対応と組み合わせることでよくある質問はチャットボットが、複雑な質問はスタッフが、といった使い分けもできます。
多彩なコンテンツを提供できる
チャットボットでは、有人チャットや電話と比べて、エンタメ・広告・インタラクティブ要素が強めのコンテンツも自然に提供可能。LINE公式から、下記のような多彩なコンテンツが届けられます。
- 診断コンテンツ
- ミニゲーム
- Webサイト・ECへの誘導
- 生成AI系サービス 等
LINE公式用チャットボットの注意点
LINE公式からチャットボットを提供する際には、注意したい点もあります。それは下記の3点です。
- 複雑な会話や個別対応には不向き
- 自然な会話シナリオの設計が必須
- 公開前の動作テストと公開後の定期的なメンテナンスが必要
チャットボットについては、用途を「よくある質問への対応」や「エンタメコンテンツの提供」に絞る等、活用に工夫が必要となります。
「COMSBI」ではチャットボットも実装可能
弊社・株式会社ソニックムーブのLINE拡張ツール「COMSBI」は、LINE公式へのチャットボット実装にも対応しております。こちらはLINE公式+αの応答メッセージ機能が使えるほか、Messaging APIとAIを活用した高度なチャットボットも提供可能です。
- 付与数無制限のタグによる、顧客一人ひとりに合わせた応答
- POS等、社内データベースを参照した応答
- ポストバックアクション機能による柔軟なシナリオ設計
- 会話テンプレートの管理機能(要カスタマイズ)
- ユーザーの発話に呼応した外部サービスの提供(要カスタマイズ)
まとめ
今回は「LINE公式でのチャットボットの提供」について、ご紹介しました。LINE公式では、応答メッセージやMessaging APIを活用して、会話を自動化するチャットボットを提供できます。こちらは問い合わせ対応を自動化できる点や多彩なコンテンツを発信できる点が強みです。